帰宅したハニカミ、いきなり
「ピンクと遊ぶ約束したの、宿題、はやくやんなきゃ・・・」

なに?
ピンクちゃんと仲直りを!?
長い間すれ違ってきた二人に新しい展開?

面白すぎるので
「宿題なんかあとでいいから(オイオイ)ピンクちゃんと遊んで来な」
と言いましたところ、
小学校でトンボを捕まえるとかで捕虫網とかごをもって行きました。
家の前の公園で待ち合わせだったらしく、でこはこっそりカーテンの陰から見守っていました。

滑り台の中程のパイプに二人で腰掛けて、なんだかいい感じ。
それから二人は小学校に歩いていきました。

五時を知らせるチャイムが鳴り始め、ハニカミはいつもの約束通り戻ってきました。

「おなかすいた〜」
「ピンクちゃんとは仲直りしたの?よかったじゃん」

ハニカミに声をかけましたが、素っ気なくうんうん言うだけです。
たぶん照れくさいんだろう。
早い目のご飯を食べさせていたら玄関のブザーが鳴りました。
ぽちのりだーん、と走ってドアを開けに行ったらなんとピンクちゃんが立っていました。

「あのう、ハニカミ君と遊べますか。ピンクのお母さんに聞いてから来てってハニカミくんが・・・(しなっ)」

えー。
いいけど勝手に約束してハニカミのやつどういうつもりよ!
と叱ってやろうかと思いましたがやめました。
きっとハニカミは、久しぶりのピンクちゃんの前でいいかっこをしたかっただけなのです。
それで、

「ごめんね〜ハニカミ今ごはん食べてるからちょっと待って・・・」

ピンクちゃんは素直にうなずいて公園に走っていきました。
その間無言だったハニカミはすごい勢いでご飯をかっこんだのですが、ピンクちゃんを待っている間にうとうとし始め、気がつくと座布団を枕に眠っていました。

ほどなくピンクちゃんが戻ってきて、ごめんね、寝ちゃったんだと訳を話すととてもがっかりした様子でしたが、

「起こさないように気をつけるから、ハニカミくんの寝てるとこ見てもいい?」

というので、そうっと家に上がらせました。
ドアの陰からぐうぐう眠っているハニカミを見て、ピンクちゃんはにこっとしました。

ピンクちゃん「わたし、じゃ帰るね、ハニカミくんの寝てるところ見れて嬉しかった」
でこ「このバカ寝ちゃってごめんね、また来てねえ」
ピンクちゃん「あのねわたし誕生日が来たの、ちょっとハニカミくんに近づいたよね」
でこ「ほんとに?おめでとうね!」

玄関でばいばいと手を振ったピンクちゃんの手首には、鍵がぶら下がっていました。

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